それが歪んだ愛だということを


誰よりも知っていた。










狂気に塗りつぶされた、小さな命


暗闇の夜に光るのは月ばかりではなく


紅く煌く、それは銀色の


彼女の胸を突いた、鋼の物体


今はもう聞こえない彼女の鼓動を奪いなお無機質な。







憑かれたのかもしれない。


何とはいえない、何かに。


闇の中から静かに迫り来るは


この歪んだ愛を許さぬ己の狂気。


己の全てを血で濡らすことも厭わない


だからこその狂い






月夜の晩に、狼は生まれる。


望みもしない変化に身を任せた


それが愚かだったというのに


この手で握り潰すべきその感情は増幅し


何もかもを俺の手から奪った。






醜い悪魔の感情


人間に恋をし、その愛を占めようと幾人を殺した



…醜い己の感情、


彼女をに恋をし、手に入らないことに絶望し





そして全てをこの手で奪った





       

レ  ヴ  ィ  ア  タ  ン  の  感  情

       




もう何も残らない、その代わりに




君を愛した事実を、俺は愛そう。



決して振り向かなかった君をこの手で殺して



君の最期の全てを俺のものにしよう。








「嫉妬」  

レヴィアタンの持った、それより醜い






己のこの感情を、君に捧ぐ。