それは真実という名の、 残酷。 分かっていた筈だった。 自分を、自分の家を、血筋を よく思っていない輩がいるのは知っていた。 時にそれが 歴史の勝利者だったとして 何のおかしい事もなく。 吹き付ける風が、この身と彼女の間に壁を作る。 杖を向けるのは、燃える様な赤毛の男。 「娘に近付くな。純血主義のマルフォイ家、何を企んでる?」 「…何か企んでるとでも?」 「僕はお前の父親を知っている。そしてあいつが、どんな奴かも。」 男の眼には、怒りと憎しみの混ざった色が浮かんでいた。 そして、その理由が解らないほど 自分は愚かではない。 存在してはいけないこの身 彼女を不幸にする術しか持たぬこの身 ならばそれを失う事を 悔いることも、無い 「ローズ・ウィーズリー?」 「――っ…スコーピウス…」 栗色の髪が揺れる。 そして髪と同じ色をした瞳から零れるのは、 哀しみの象徴であってくれるのだろうか。
「 愛 し て い る よ 」 最後の呟き きっと彼女に届くことを祈って そしてこの身を貫くのは、最後の笑みを貫くのは 漆黒の杖から放たれた ――緑色の、閃光。
孫世代でスコロズです。 親同士の確執。翻弄される子供。