強がりで我が儘で高慢

そんな彼女の涙を見たのは

最初で、最後。





黒いマントを着込み、僕の前に立つのは

紛れもなく、僕の愛する彼女だった。

フードを取ると、その滑らかな黒髪が闇に溶け込んで見える。

その手には杖が握られていて、その標的は間違いなく僕で。







――いつかこうなることは分かってた筈だった。

それが僕に与えられた運命。

純潔でありながら、獅子の仔となった僕への。







闇に囚われた彼女

今や遠すぎるその姿



もう戻らない、ことを知って






美しき碧眼は

闇の中に浮かび上がる




「ロナルド・ウィーズリー…アンタを、殺させてよ」




もう君は、僕をあの呼び名で呼んではくれない。


それでも口にしたフルネームは


僕への最後の愛情だと思ってもいいのか?



       

―――最  後  の  涙    

       





「パンジー・パーキンソン」




君も知っているだろう?


僕はもう、昔の僕じゃない





「 泣 く な よ 」





君のその涙を止めるためなら



僕はこの命くらい






捨てても、構わない。





うちの攻めっ子たちはヘタレ要素無いな…。