欺いた代償

愛する者を守るべくついた嘘の引き換えは









立つ世界が違うことは理解していた。



それでも、許される罪であって欲しいと
彼女を愛すること、それだけでいいから、と。



けれど、許されてはいけないと知ったのはいつからか




人が天に居た頃の名残
背にある翼の痕の様な骨



それを覆う肌の上に刻まれた闇の印が疼く。


この背に負うのが闇ならば

彼女が負うのは光。





             「今度会った時には、お前を殺す」




禁断の恋に終わりを。

この身体が、闇に堕ちきる前に。





         ――――――自分を、彼女を欺いた代償




「殺してくれるんでしょう?」


栗色の長い髪が、この胸にうずもれる。


「何人もの人を葬った貴方なら、この身一つくらい簡単よね?」


その声は酷く静かな



「だからお願い
 貴方を愛したまま、貴方の手で――逝かせて?」


       

ベ  リ  ア  ル  の  惨  劇

       


「 ア バ ダ ・ ケ ダ ブ ラ 」





それは、堕ちた天使への、罰






肩甲骨あたりに闇の印を入れてたら格好良いなという勝手な妄想。
実際は入れてないので、そこはかとなく捏造ですけども。
最後の2行は、迷ったけどこれでいきました。
前提がシリアスで終わろうと思っていたので、気を悪くされた方がいらっしゃったらすみません。